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消防士として活躍する大坪義明の名を知らない地元住民はいません。彼はこの地域で生まれ育った人物で、高校を卒業すると同時に消防隊員への道を歩み始めたのですが、そんな彼を一躍有名にしたのは1年前の火事でした。大坪義明は火事の現場に駆けつけるや否や、まだ建物の中に取り残されている人がいることを知り燃え盛る建物の中に単身飛び込んで行ったのです。もちろん、これは少々軽率な行動とも言えますし、消防隊員としては失態なのかもしれませんが、そのおかげで助かった命があるのもまた事実なのです。

大坪義明はその後上司からきつくお叱りも受けたようですが特別処分などは下されませんでした。また、この一件以来地元ではすっかり大坪義明を英雄視するようになったのです。今思えば彼は学生の頃から正義感の強い人物で、苛められているような弱者を見つけては助けていましたし、困っている人を見つけたら放っておくことができないタイプの人物でした。そんな彼が消防隊員という職業を選んだのはごく自然なことなのかもしれません。また、彼は非常に謙虚な人間ですから、どんな手柄を立ててもそれを周囲に自慢したりするようなことがないというのも彼が多くの方から慕われている理由なのでしょう。

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